D・カーネギー『人を動かす』

デール・カーネギーの『人を動かす』この本は言わずと知れた名著であると聞いたものの、私は今まで読んだことがありませんでした。これまで読書はしていた方ではなく、むしろ読書は面倒なものと思っていました。読んだ後も感想などを記したりもせず漫然と過ごす日々だったので、これを機にこの記事を自身のメモとして書き綴って保存していこうと考えました。

人を動かす「目次」

本書は4つのパートに分かれています。

■人を動かす三原則
■人に好かれる六原則
■人を説得する十二原則
■人を変える九原則
■幸福な家庭を作る七原則(付)

どうすれば人間関係をより円滑にそして自分自身余計なことで悩まずに生きていけるかを指南してくれる書となっています。書の中には原則や経験に基づく言葉の裏にある「実例」が豊富に紹介されており、より納得感をもってそして自分自身に置き換えて「こういう時はこうすれば良かったのかも」という気づきを与えてくれます。

人を動かす三原則

社会集団、企業に属している限り、「同僚」「上司部下」の関係は切っても切れません。上に立てばたつほど人へ仕事を割り振る機会は増えますし、お願いをするシーンを増えます。これは家庭内でいえば「夫婦の円滑なコミュニケーション方法」・「子供へどうお願いすればいいか」に応用できますし、学校で言えば「マネージャーとして部員にどうパフォーマンスを発揮してもらうのか」・「委員長としてクラスを動かすにはどうすればいいのか」を考えるヒントになります。この章では、どのようなシーンでも使えそうな汎用的かつ実践的な考え方について解説しています。

批判も非難もしない。苦情も言わない。

ここではどんな罪悪人やどんな人であっても『自分は正しいと思って行動している』という人を題材に上げています。端から見ればとてつもない行動であれども、当人に聞くと「私は間違ったことはしていない、正しいことをしている」と考えています。なので、人を批判したところで相手は「自分は正しい」と思っているため言い合いになる。争いがおこる。それは本当に無益なことだと語っています。

書では、人を非難することは天に向かってつばをするようなものとた喩え、必ずや自分の身にはね返ってくるということを過去の偉人たちの行動を顧みながら語っています。

・他人のあら探しは、何の役にも立たない。
・およそ人を扱う場合には、相手を論理の動物だと思ってはならない。
相手は感情の動物であり、しかも偏見に満ち、自尊心と虚栄心によって行動するということをよく心得ておかねばならない。
・人を非難するかわりに、相手を理解するように努めようではないか。
  出典:D・カーネギー『人を動かす』[新装版]

書ではこのように記しており、相手を批判しそうになったり非難しそうになったりしたときは、「なぜ、相手はどういう考えに至ったのだろう」と考えることから始めることが得策だと説いています。現実の世界でも、「なぜこの人はこのような考えを持ったのだろう」という目で見ることで真実を知ることができるし新たな発見にもつながるのではと感じます。偉大な研究成果やイノベーションもおそらく最初は「批判されていた」のだと思います。しかし、その奥にある考えを理解することで素晴らしい結果を導き出すことができる。「批判をして終わるのか」「真意を考えて同調してみるのか」人生の分かれ道は自分の感じ方になるのではないでしょうか。

率直で、誠実な評価を与える

ここでは「褒めることの大切さ」を説いています。人を動かす秘訣は『みずから動きたくなる気持ちを起こさせること』と説いています。他人の悪い面ばかりを気にかけ批判を続ける人間と、他人の良い面を積極的に見つけ出し、相手を褒めることを怠らない人間、どちらが好かれるのでしょうか。一見、当たり前であることであっても本人にとっては初めての出来事であった場合にはしっかりと褒めることが重要です。

人には奥底に「他人に認められたい」という欲求があります。『お金持ちが豪邸を建てる』『高級車を乗り回す』『子供の自慢話をする』『SNSに面白い動画を投稿する』これらすべて「承認欲求」があるからです。この欲求が満たされると人は充足感を得ることができます。

深い思いやりから出る感謝の言葉をふりまきながら日々を過ごす
――これが、友をつくり、人を動かす秘訣である
出典:D・カーネギー『人を動かす』[新装版]

「ありがとう」「君はすごい」という言葉だけでも大丈夫です。しかし、その言葉は心から出た誠実な言葉でなければならない。薄っぺらいお世辞では人は動かない。上司であれば、部下の仕事ぶりを日ごろからよく観察し、褒めるところはとことん褒めて、率直に心から評価をしてあげれば、その部下の仕事ぶりは良くなっていくのではないでしょうか。どんなに地位のある人でも「褒められたい」という欲求はあります。

強い欲求を起こさせる

「片づけをしなさい!」「しっかり全部食べなさい!」「早く寝なさい!」と言っても行動してくれないのはどうしてでしょうか。それは、その行動によって自分にどんな利益があるのかどうかわからないからです。例えば子供が「隣のガキ大将をやっつけたい」と感じていたとすれば、「全部食べたらガキ大将も倒せるほど強くなれる!」と言えばよいのです。子供に「目的のためなら全部食べてやる!」というモチベーションを与えればいいだけの話なのです。

人を説得して何かをやらせようと思えば、口をひらくまえに、まず自分にたずねてみることだ
――「どうすれば、そうしたくなる気持ちを相手に起こさせることができるか?」
出典:D・カーネギー『人を動かす』[新装版]

人を動かすには、その人自らが「行動したい!」と思えるようなきっかけを与えることが重要なのです。このように、この章では自分の立場で物事を考えるのではなく、相手の立場に身を置き、相手の視点から物事を考えることが重要であると記しています。

PART1まとめ

このパート1は非常に重要であり、この書の神髄が詰まっています。3つのポイントを意識して生活すれば、人間関係の悩みであったり人を動かす立場である人たちの悩みも少しは軽くなるのではないでしょうか。しかし、最後は自身の行動に移せるかどうかです。知識として得たことを行動に移さなければそれは何も進歩していないのと同じです。今日から人に対してどう接していけばいいのか、どうすれば良いのか見つめてみましょう。